レストの駄文置き場

キモオタが色々書きます

好きな表現

 好きなキャラクターのセリフだとか、尊敬する偉人の名言だとか、皆それぞれにお気に入りの表現があると思います。僕ももれなく今まで生き抜いてきて、贔屓の表現が多々あります。それらに共通するのが

「定型表現を昇華させている」

ことです。

 表現の昇華とは何か、を説明するよりもまず、具体例を鑑賞していきましょう。

 

①「蛇に足を重ねるようですが...」

 

 これは高校の国語教師によるお話の最後に、追加の連絡事項を伝える際に、枕として発された表現です。

 凡人ならば、「蛇足ですが...」と言うところを、蛇足という故事成語の由来である「蛇を描く競争していた時に、時間を持て余した者が足を付け加えた」という逸話を踏まえつつ、柔軟に変形させたところが非常にオシャレ。

 それまで国語教師といえば、板書が綺麗な集団程度にしか認識していませんでしたが、咄嗟にこんなしゃれたことが言えるのは、彼らが国語を学生に教えられる程度に修めたのだということを理解させられました。

 

②「雄弁は銀沈黙は金暴力はオリハルコン

 これは既存の慣用句の後ろにオリジナルの文言を付け足した作品です。どこかしらにライトノベルの風が香ります。この記事を書くにあたって、なぜか真っ先に思い浮かんだ謎の表現ですので、もしかしたら昔どこかに書かれていたものかもしれません。

 日常で使用できる場面があるとは考えられませんが、堅物な主人公のうんざりするような説教に対して、鉄拳で制裁した後に自信満々な様子の暴力系ヒロインの姿がありありと思い浮かびます。

 

③「壁にシロアリ、クロードチアリ」

 これは十年以上前に読んだ、花とゆめコミックの金字塔、「パタリロ」のどこかの巻に出てきたジョークですね。「壁に耳あり、障子に目あり」の「在り」を「蟻」に読み替えて、後半部を大胆に人名に置き換えるぶっとび具合がたまりません。

 アリシリーズの仲間として、「親しき仲にもツムギアリ」とかも中々オシャレです。

 さらに、「壁にシロアリ、障子に羽アリ」というものがありますが、クロードチアリに比べ、こじんまりまとまっている感じが気に入らないので花丸はあげられないです。

 

④「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」

 初めて目にしたときには天才的だと衝撃を受けました。「非暴力を説いた」という呪文のみが日本人受験生に暗記され、肝心の偉業があまり知られていない微妙な立場の偉人を巧みに利用した作品です。同様の表現は偉人の数だけ作れるので、兄弟姉妹の数は途方もありませんが、これがトップオブトップで間違いないと思います。織田信長でも卑弥呼でも出せない味があります。

 しかし、今では有名になりすぎて、ツイッタークソリプで多用されている可哀そうな表現でもあります。

 

他に挙げたらきりがないので、具体例の紹介はこれぐらいにしておきます。

 

 つまり、始めに申した 「定型表現の昇華」 とは、上に例に共通しているように、「既存の表現、概念にオリジナリティーを加える」ということです。そして、僕はこういう表現が大変好ましく思っています。

 まず、表現をさらっと引用のみならず、それに加えてアレンジさせるのは、知性とユーモアを漂わせます。強引に言うと、引用するだけならば、有名な表現を暗記し、使用する場面を想定しておくだけでいいのですが、咄嗟にアレンジさせるとなると、相当の難易度です。

 

 情報量が膨れ上がったネットの大海の中では、SNSしかり、ショート動画しかり、コンテンツはコンパクトになり続けています。その状況の中で、説明の必要が無く、一定の面白さが担保されている、過去の有名な表現を引用するのは楽であると思いますし、それらは何回見ても面白いのですが、少々下品にも感じることがあります。

 そのような理由で、パロネタをむやみに擦るエッセイマンガを苦手に思っています。

 

 自分の好きな表現を紹介することから始まり、既存表現の引用にいちゃもんをつけることで終えるのはダブスタでしかありませんが、「常に秀逸さを追い求めた発言をしよう!」という玉虫色の啓発をして、この記事を着地させておきます。

 

〇ックオフで痴漢された話

「皆さんは痴漢されたことがありますか?」

 

僕(男)はタイトルの通り、高校生のときに某中古本屋で痴漢されたことがあります。

 

かなり衝撃的な体験だったので、その時の思い出を書いてみます。

初記事なので温かい目で読んでくれると幸いです。

 

高校2年生のときのある日、学校からの帰り道の途中にある〇ックオフに立ち寄りました。

 

その日は最高にイカした図のように、レジから遠い店内の角部分で立ち読みをしていました。

 

※黒の斜線:本棚

 白塗り:通路

 黒●:僕

 

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しばらくすると、一人の客が後ろからやってきて、僕の右側に落ち着きました。

この客は名探偵コナンの元太をそのまま巨大化した体型でした。 

小嶋元太|キャラクター | 名探偵コナン | 読売テレビ

 

その後、元太は徐々にこちらの方へ近づいてきたので、

「こいつは僕の体が邪魔で目当ての本が取れないんだな。」

と思い、本を取るには十分なほど左にスライドしたのにかかわらず、おかしなことに元太の巨体はさらに迫ってきました。

結局、ボクは2枚目の超絶にイカした図のように通路のド真ん中まで移動させられました。

赤●:元太

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なぜか元太は本を手に取る様子が無かったので、不信には思いましたが、僕はマンガに夢中だったので、そのまま立ち読みし続けていました。

 

数十秒後......

 

 

突然、股間部分に何かが触れた感触がありました。

 

驚いて右を向くと、

 

元太が左手をボクの股間に向けて伸ばし、右手で自身の股間をまさぐっていました。

 

咄嗟に「ヤバイ!」と思い、店外へ飛び出し逃げるように帰宅しました。

 

 

 

......以上がボクが受けた痴漢被害の一部始終です。

 

僕はそれまで

「痴漢されるのは女性だけ」

と勝手に決めてつけていました。

いや、それ以前に

「自分に悪い目線を向けてくる大人が存在する。」

ということすら考えたことがありませんでした。

 

何よりショックだったのは、黙って逃げ出すしかできなかったことです。

「なぜ自分が?」という考えのみが頭を占拠し

「大声を出して周りの客に知らせる」、「すぐさま店員に報告する」などの行動が一切思い浮かびませんでした。

 

電車での痴漢被害の記事としてよく耳にする

「恐怖で何もできなかった。」

という体験談に対し、それまで「何もしないのは、分別のついた大人としてあまりに情けないw」と馬鹿にしていましたが、結局、僕も何もできずショックを受けました。

僕が適切な対処を取らなかったために他の被害者が発生したかもしれないと考えると反省しか残りません。

 

今では、この痴漢体験は笑い話の一つとして

「〇ックオフで元太にチ〇コ触られたんだよねw」

「これじゃb○○k offじゃなくて、F〇ck offじゃねえかw」

というように話していますが、痴漢されてからしばらくはこの店舗をわざと避けて通学したぐらいには恐怖の体験でした。

 

 

まあ、立ち読み目当てですぐに再び通い始めましたけれども......